FINANCE

三世代同居改修工事に係る所得税の特例

税改正

2016.06.06

平成28年4月からの税改正Vol.2

平成28年度税制改正にて創設された「三世代同居改修工事に係る所得税の特例」について、解説します。

この制度は、三世代で暮らすために自宅の改修工事をして、平成28年4月1日~平成31年6月30日の間にその家に住み始めた場合に、所得税の税額控除を受けることができるというものです。

この制度の対象の工事は以下の4つの設備のうち、改修工事の後に1~4のいずれか2つ以上が複数になることが条件です。

1、キッチン
2、浴室
3、トイレ
4、玄関

例えば、改修前の自宅1階にキッチン、浴室、トイレ、玄関が1つずつあった場合、改修工事後、2階にもトイレとキッチンが1つずつあれば条件を満たします。もちろん、1階だけでなく、2階にキッチン、バス、トイレ、玄関の4つを作ることもできます。

親が三世代で暮らすために自宅を改修して、1階に親夫婦が暮らし、2階にその子供の家族が暮らすというようなイメージがわかりやすいでしょう。

この制度での税額控除の方法は、2つあります。

1、借入金を使って住宅改修を行う場合

税額控除の対象になるのは、借入金の年末残高1,000万円以下の部分で、次の2つの合計金額を所得税の額から控除します。

(1)三世代同居改修工事に係る工事費用(250万円が上限)に相当する住宅借入金等の年末残高×2%
(2)(1)以外の住宅借入金等の年末残高×1%

なお、控除適用可能期間は5年で、適用対象となる住宅借入金等は償還期間5年以上の住宅借入金等であることが必要です。

2、自己資金で住宅改修を行う場合

三世代同居改修工事に係る工事費用(250万円が上限)の10%に相当する金額を所得税の額から控除します。最大控除額は25万円になります。

自己資金で住宅改修を行う場合の注意点として、その年の前年以前3年内においてこの税額控除を受けた場合には適用できないことと、その年分の合計所得金額が3000万円を超える場合には適用できないことが挙げられます。

この制度を使う上で、気をつけていただきたいことは、改修工事費用の合計額が50万円を超えることが条件になり補助金の交付がある場合は、その補助金の金額を控除した後の金額で判断されるということです。

そして、借入金と自己資金の2つの税額控除を併用することはできません。借入金の場合も自己資金の場合も、必要な書類を添付して確定申告をしないと適用されませんので注意が必要です。また、会社員などの給与所得者が住宅借入金を使って改修を行ったときは、確定申告をした年の翌年以降の年分については、年末調整でこの特例の適用を受けることができます。

執筆者:DR’S WEALTH MEDIA編集部