FINANCE

ギリシャのデフォルトは免れたが根本的な問題解決は遠い

ギリシャショック

2015.07.27

ギリシャ・ショックVol.1

ギリシャはEUからの金融支援を受け入れ、財政再建を進める見通しとなりました。債務不履行という最悪の事態は避けられそうですが、ユーロからの離脱という問題が解決したわけではありません。ギリシャ危機の現状と今後の金融市場に与える影響などについて、今回から2回にわたり考えてみたいと思います。

ギリシャは今年7月20日に、閉鎖されていた国内銀行の営業を再開するとともに、国際通貨基金(IMF)や欧州中央銀行(ECB)への債務返済を行いました。
ひとまずEUからの金融支援を受け入れることになりましたが、支援の内容や債務負担の緩和などについては、今後の交渉次第という状況です。EUはギリシャに対して徹底的な緊縮策を要求していますが、それに対してギリシャは債務の大幅軽減を求めており、両者の間にはいまだに深い溝が存在しています。今後の交渉次第では、ユーロからの離脱危機が再び起きる可能性もあります。

そもそもギリシャ問題がここまで危機的な状況になった根底には、ユーロ圏の経済格差があります。ドイツやフランスなど経済的にある程度の余裕がある国とギリシャやスペインなど失業率が高く経済的に厳しい国が混在しています。

ところが、1999年に発足したユーロ圏では、同じ通貨を使用し、金融政策は欧州中央銀行(ECB)が一元管理しています。個別の国の景気が悪くなっても、金利を引き下げてカネ回りを良くしたり、通貨安に誘導して輸出を増やすなどの対策を講じることができません。とすれば、仮にギリシャ危機が落ち着いたとしても、同じ問題が繰り返される可能性はあるのです。

欧州委員会のユンケル委員長は6月下旬、ECBと共同で発表した報告書でユーロ圏経済の強化を提案しています。経済的に厳しい国への支援をどうするのかなどを今後、検討していきます。また、共通の預金保険の導入なども視野にいれています。

ユーロ圏の統合が強化され、経済格差問題の解決策が見つかるまでは、ユーロには地政学リスクが存在することを認識した上で投資などを行ったほうがよさそうです。

次回は、今後のユーロ圏の金融市場について考えてみたいと思います。

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執筆者:DR’S WEALTH MEDIA編集部