FINANCE

個人年金を有効に活用し、医師引退後の準備をしましょう

歯科医の個人年金 Vol.1

2016.01.04

開業医が個人年金を活用して資産形成をする方法

開業医のみなさまが老後資金の形成のために利用できる金融商品として、最も基本となるのは個人年金保険です。

そこで今回は、開業医のみなさまに向けた、個人年金保険の有効な活用法を紹介します。

医師を引退した後の、老後のライフプランが心配・・・

医師を引退した後の、老後のライフプランが心配
少子高齢化によって、日本の年金財政はますます厳しくなっています。制度を維持するためには保険料を上げて、給付開始年齢を遅らせる他なく、日本では給付開始年齢を60歳から65歳へ段階的に引き上げている途中です。

海外では67歳あるいは68歳から支給開始の国も多いことから、日本でもさらに支給開始年齢を引き上げようという議論が始まっています。 

このように頻繁に制度が変わってしまうと、ライフプランを立てることができません。自分である程度の資金を準備するしかないのです。生命保険文化センターの「生活保障に関する調査」(平成25年度)によると、9割近くの人が老後生活に不安を感じている、と答えています。

そして、6割以上の人が老後に対して私的準備をしています。準備の方法として最も多いのは預貯金で43%、次いで個人年金などの41.3%となっています。

一方で株式などの有価証券を利用している人は6.2%にすぎません。やはり、リスクは回避して、安全確実に資産を作りたいという希望が多いようです。

預貯金などで、医師を引退した後の老後資金を準備した場合には、それを取り崩しながら生活をすることになるので、いずれ貯蓄が底をついてしまう可能性があります。長生きするほど不安になってしまうでしょう。

その点、個人年金保険には、終身受け取りを選択できる商品もあり、その場合は年金を一生涯受け取ることができるので、長生きによる心配を減らすことができます。

個人年金活用による税制上の2つのメリット

また個人年金保険には、税制上2つのメリットがあります。

1つは支払う保険料が控除対象になるということです。これは生命保険料控除の一種で所得税が最大4万円、住民税が最大2万8,000円を年間所得から差し引くことができます。

2つ目は、個人年金保険に加入し、保険料の払込期間中に亡くなると、支払った保険料相当額の死亡給付金を受け取ることができるということです。

相続税を計算する際、生命保険の保険金には「500万円×法定相続人の数」の非課税枠があり、これを利用することができます。

高齢になると、持病などが原因で生命保険に加入しにくくなることもありますが、個人年金保険では持病があっても加入できるのが一般的なので、相続税の非課税枠を使っていない場合には、個人年金保険に加入する効果は高いでしょう。

加入時に受け取る年金額が確定する、定額個人年金保険

加入時に受け取る年金額が確定する、定額個人年金保険
個人年金保険の活用法について、個人年金保険には、大きく分けて定額個人年金保険と変額個人年金保険があります。

定額個人年金保険は、加入時に受け取る年金額が確定している商品です。個人年金保険に加入している人の8割以上が定額個人年金保険だともいわれます。

低金利の今、個人年金保険の利回りは高くはありませんが、先に紹介したように、受取時に終身年金が選択できる、保険料が生命保険料控除の対象となる、死亡給付金が相続税の非課税枠が利用できるなどは大きなメリットと言えます。

定額個人年金保険でありながら高い利回りが期待できる、外貨建て個人年金保険

定額個人年金保険でありながら高い利回りが期待できる商品として、外貨建て個人年金保険も人気です。

保険料を外貨で運用する以外は、円建ての個人年金保険と仕組みは変わりません。運用する通貨は、米ドル、ユーロ、豪ドルなどから選択できるのが一般的です。

ただし、ほとんどの商品が保険料を一時払いにするタイプです。まとまった資金を運用するのに向いている商品といえます。

たとえば、某保険会社M生命の一時払い個人年金保険の場合、運用利率は
米ドルで、
5年=0.4%
7年=0.52%
10年=1.15%

豪ドルで
5年=1.26%
7年=1.27%
10年=1.95%
(2015年5月31日時点)です。

注意しなければいけないのは、受取年金額は加入時に確定しますが、その金額は外貨建てであることです。

加入時よりも円安になっていれば、為替差益が得られますが、円高になっていれば為替差損が生じることになります。

もし、円高になっていた場合には、外貨のまま受取り、為替レートのタイミングを見て、円に転換することで為替リスクを抑えることもできます。

このような商品性を考えると、外貨建て個人年金保険は銀行の外貨定期預金と性格が似ています。

ただ、外貨定期預金は預入期間が1年以下の商品が一般的ですから、長期固定金利で運用できるのは、外貨個人年金保険のメリットです。

保険料の運用状況によって受取額が変化する、変額個人年金保険

変額個人年金保険は、保険料の運用状況によって受取額が変化する商品です。

保険料は特別勘定と呼ばれる投資信託のようなもので運用します。

世界株式、国内株式、世界債券など運用対象によって、複数の特別勘定が用意され、加入者が選択するのが一般的です。選んだ特別勘定は、途中で変更も可能です。

定額個人年金と比較して、受け取る年金額が変動するのがデメリットですが、今後インフレになったときには、現金の価値は減少してしまいます。定額個人年金保険で受け取る年金額は、価値が目減りしている可能性があります。

その点、株式などはインフレに強い資産といわれ、物価上昇とともに株価は上がっていくのが一般的です。受け取り時にインフレが進行していた場合には、受取年金額も増えている可能性があります。

どちらにもメリットがありますから、どちらを重視するかで選ぶ商品が変わることになります。

それぞれの個人年金商品の特性を理解し、賢く運用をしていきましょう。

執筆者:DR’S WEALTH MEDIA編集部