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過剰な保障は保険料のムダ。状況に応じた保障の見直しを

過剰な保障は保険料のムダになる。 適正保障の基準とは?

2014.09.08

医院や家庭の状況によって、生命保険の見直しを

日本人は保険好きであるといわれます。

事実、生命保険文化センターの「生活保障に関する調査」(平成25年度)によると、生命保険の加入率は80%を超え、10人中8人以上が何らかの生命保険に加入していることになります。

死亡リスクは誰しも逃れることはできないだけに「家族を愛しているなら、保険に加入するべき」などとセールスを受ければ、加入せざるを得ない気持ちになってしまうのでしょう。

保険への加入率は、年収が上がるほど高くなります。世帯年収300万円未満では64.0%に過ぎませんが、1,000万円以上では93.7%に上ります。

どんなに必要な保障であっても、家計に余裕がなければ「加入したくてもできない」という状態になりますが、とりあえず家計に余裕があり、保険料の支払いに問題がなければ、“つい”加入してしまうのではないでしょうか。

開業医のみなさまも、診療でご多忙の中で、つい言われるがままに加入してしまった、という経験もあるのではないでしょうか?

生命保険を受け取れる確率は?

過剰な保障は保険料のムダになる。 適正保障の基準とは?

なかでも、子どもが生まれたのをきっかけに生命保険に加入するケースは多いでしょう。自分に万が一のことがあっても、子どもの生活費や教育費に困らないようにするためです。

仮に40歳男性が5,000万円の保障額で20年の定期保険に加入したとすると、ある保険会社の保険料は総額で約400万円に達します。

では、その保険金を受け取る確率はどの程度あるのでしょうか。平均寿命の長い日本ではかなり低いと言えるでしょう。

厚生労働省の簡易生命表(2013年)で死亡率を見ると、40歳から60歳になるまででは、約6%に過ぎないことがわかり、100人中94人は保険料が払い損となります。

生命保険で必要になる保障額は定期的に見直すべき

とはいえ、生命保険がまったくムダというわけではありません。貯蓄が少なければ、万が一に備えて生命保険に加入しておく必要はあります。

しかし、徐々に貯蓄が増えてくれば、その分の保障を減らし、ムダになる保険料を減らしたほうがいいでしょう。

また、マイホームを購入すれば、万が一の場合、住宅ローンは団体信用生命保険で肩代わりされるので、住居費は必要なくなります。よって、保障額を大きく減らすことが可能です。

このように必要な保障額は常に変化します。

生命保険と上手に付き合う方法は、定期的に見直して、必要のなくなった保障額はできるだけ減らすことであると言えるでしょう。

開業医のみなさまも、医院や家族のステージによって、その補償額は大きく変わってくるかと思います。

保険金を受け取る確率は非常に低いことを理解して、ムダになる保険料はできる限り少なくしたいですね。

執筆者:DR’S WEALTH MEDIA編集部
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